- 指板に使用される代表的な木材3種類
- 代表的な3種類の木材の特徴や音
見た目の違いだけだと思ってたよ…
ベースやギターを購入予定だけど、指板(フィンガーボード)の木材は何を選べばいいのかお悩みではありませんか?
ベースのボディと同じで使われる木材によって音や、管理方法、などに影響します。
知っておくと購入する際に役にたち、買った後で後悔する事が無くなりますよ!
今回は指板で使われる代表的な以下3種をご紹介します。
- ローズウッド
- メイプル
- エボニー
ベースのボディに使用されている木材についての記事は以下記事をどうぞ。
【徹底比較!!】ボディ材で何が変わる?よく使用されるベースのボディ材5選+ポプラ
ベースの指板に使用される代表的な木材と音の特徴
ベースやギターの指板に使用される代表的な木材と音の特徴を簡潔にまとめました。
木材 | 音の特徴 | メンテナンス |
---|---|---|
ローズウッド | マイルドでバランスが取れた音 | レモン、オレンジオイルで2~3ヶ月に1回程度 |
メイプル | 硬いはっきりとした輪郭とアタックが特徴 | クロスでの乾拭き、ポリッシュ |
エボニー | 音の立ち上がりがよく、素直な音 | レモン、オレンジオイルで2~3ヶ月に1回程度 |
各指板の特徴
それではベースの指板に使用される各木材の特徴を解説していきます。
ローズウッド(インディアンローズウッド)指板の特徴
和名 | 紫壇(しだん) |
主な生育地 | インド、スリランカ、インドネシア |
色、木目 | 木らしい茶色 |
加工性 | やや悪い |
使用例 | アコースティックギターの側面など |
ローズウッドの名前の由来は加工する際にバラのような香りがする事から名付けられました。
硬く、反りにくいと言う特徴があるので、メイプルのネックと合わせる事によってより反りにくい特性が増します。
一口にローズウッドといってもたくさんの種類があります。
最初に指板として使用されていたのはブラジリアンローズウッドという種類でしたが、ワシントン条約によって国際間取引が禁止されました。
現在ではお目にかかる事ができないレアな木材となってしまいました。
現在はインディアンローズウッドと言う種類が主流になっていますが、2017年にブラジリアンローズウッド以外もワシントン付属書条約Ⅱに記載され、木材のみならず加工品(ベースも)も国際間取引に許可が必要になってしまいました。
この状況を鑑み、各ブランドではローズウッドに変わる素材の選定に尽力しています。
手触りはしっとりとした手触りで、手汗を吸ってくれるので演奏性も高い。
ローズウッド指板の音の特徴
- メイプルに比べ高音が控えめでマイルド
- バランスの取れた音
オーソドックス、オールマイティな音が欲しい人にオススメです。
ローズウッド指板のデメリット
- 塗装がされていないため乾燥の影響を受けやすい
メイプル指板のように塗装がされていないので、生の木材が直接外気に触れている状態になります。
そのため乾燥する冬場などに指板が割れてしまう事があります。
ローズウッド指板のメンテナンス
汚れや指板の乾燥が気になる際はオレンジオイル、レモンオイルで掃除、メンテナンスが必要です。
頻度は2~3ヶ月に1回程度行うと指板の乾燥を防ぐ事ができますよ。
筆者が使っているレモンオイルです。
メイプル指板の特徴
和名 | 楓(かえで) |
主な生育地 | 北アメリカ北東部 |
色、木目 | クリーム色 |
加工性 | 良い |
使用例 | ボーリング場のレーン、野球のバット |
メイプルの指板と一口に言っても、実は2種類存在しています。
ワンピースネックと張りメイプルです。
1本の木材を削り、フレットを打ち込み、指板も一体化しているネックの事です。
楽器の歴史上ネックに指板を張り合わせてある物が主流で指板とネックが一体化したものはありませんでした。
そこに一石を投じたのがレオ・フェンダーです。
ハードロックメイプルと言う木材を加工してワンピースネックを生み出しました。
1967年から登場した手法。
メイプルを加工して作ったネックにメイプルの指板を貼り付けた物を言います。
メイプルは反りにくい特性を持つことから多くのベース、ギターのネックに使用されている木材です。
大体のメイプル指板には透明な塗装がされています。
長年使い込むと経年劣化で塗装が剥がれ、黒ずんでいく事があります。
しかし、それも味があってカッコよかったりします。
メイプル指板の音の特徴
- 音の輪郭がはっきりしている
- 音の立ち上がりに優れている
- 中〜高音域が出やすい
スラップと相性がいい木材と言えます。
メイプル指板のデメリット
- 塗装が剥がれる
- 汚れが目立ちやすい
- フレット交換の際は工賃が高い
長年使用していると塗装が剥がれ、剥がれたところから黒ずんでいくと言う事が起きます。
また、木材の色が白っぽいので汚れが目立ちやすいと言う欠点もあります。
メイプルは硬質な木材故に脆さも持ち合わせているため、フレットを交換する際の工賃がローズウッドに比べると高くなります。
メイプル指板のメンテナンス
メイプル指板は表面に塗装が施してあるのでローズウッドや、エボニーのように乾燥する事がないため保湿をする必要がありません。
メイプル指板をメンテナンスする際はクロスでの乾拭きや、ポリッシュを使用して吹き上げがいいでしょう。
エボニー指板の特徴
和名 | 黒檀(こくたん) |
主な生育地 | 東南アジア |
色、木目 | 黒色 |
加工性 | 悪い |
使用例 | バイオリン、チェロなどの指板、ピアノの黒鍵 |
今回紹介した3種類の木材の中で最も重く、硬い木材です。
指板に使われる真っ黒な木材はエボニーの木の芯からのみ取れる希少性が高い木材です(芯以外は一般的な木材と同じような色合い)
バイオリン、チェロ、ピアノなどの高級な楽器に使用される事が多く、ベースギターにおいてもハイエンドモデルに使用される事が多い。
フレットレスベースはフレットがなく、弦が直接指板に押しつけるため弦の跡や傷が残らないように硬いエボニーを使用します。
エボニー指板の音の特徴
- アタックがある
- レスポンスの良いきれがある
- 低音〜高音までバランスよく音が出る
エボニー指板のデメリット
- 塗装がされていないので乾燥の影響を受けやすい
- 枯渇問題
ローズウッドと同じく乾燥による割れなどが発生します。
そのため、オレンジオイルや、レモンオイルでのメンテナンス、保湿が必要になります。
エボニーの木はそもそも数が少ない上に、直径が18cmになるのに200年かかると言われるほど成長が遅い木です。
そのため、木材の枯渇が問題になっています。
エボニー指板のメンテナンス
ローズウッドと同じように塗装のされてない木を使用しているので乾燥します。
汚れや指板の乾燥が気になる際はオレンジオイル、レモンオイルで掃除、メンテナンスが必要です。
頻度は2~3ヶ月に1回程度行うと指板の乾燥を防ぐ事ができますよ。
指板に使用される木材まとめ
指板には「指板御三家」と呼ばれる使用頻度が高い木材が3種類あります。
- ローズウッド
- メイプル
- エボニー
各木材の特徴は以下の通りです。
ローズウッド
- 木らしい色
- 塗装はされない
- 乾燥するためメンテナンスが必要
- 高音が控えめでマイルドな音
メイプル
- クリーム色のような白木
- ワンピースネックと張りメイプルの2種類ある
- 塗装が施されている
- 弾きこむと塗装が剥がれるなどの経年劣化が起こる
- 音の輪郭がはっきりとして立ち上がりのいい音
中〜高音域が出る - 汚れが目立ちやすい
エボニー
- 黒色の木材
- 御三家の中で最も重く、硬い
- 希少性が高い高級木材
- アタック、レスポンスに優れバランスよく低音域〜高音域が出る
- 乾燥するのでメンテナンスが必要
- 木が枯渇してきている
いかがだったでしょうか?
木材によって音だけでなく、メンテナンスのやり方、頻度も変わってきます。
ベースを購入の際は理想の音や自分の性格を考慮して指板を選びましょう!
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