ベースをピックで弾きたいけど、どのピックが合っているのかわからないとお悩みではありませんか?
店頭には形、厚み、色々あって初めて見た初心者の方は困惑したと思います。
筆者も最初は違いがわからず、ベースには不向きなピックを購入して弾いていた苦い過去があります。
今回の記事ではベース歴20年以上の筆者がピックの形、素材、選び方を紹介していきます。
この記事を読めば自分に合ったベース用ピックを見つける事ができますよ。
ピックの選びの際に見るポイント
初心者の方がピックを選ぶ際に注目して欲しいポイントは3点あります。
- 形
- 厚み
- 素材
上記のポイントに注意してピックを選びましょう。
では、ピックの形についてから解説をしていきます。
ピックの形
ピックには様々な形があります。
プレースタイル、弾くジャンルに合ったピックを選びましょう。
トライアングル型、おにぎり型
定番の形のピックで、おにぎり型ピックとも呼ばれます。
面積が広いので持ちやすく、ピックが弦に当たる面積が大きいのが特徴です。
また、角が3方向使用できるので長く使えて経済的と言うメリットもあります。
ベースは弦を弾いた際の抵抗が多いため、グリップ感のいいこの形はとても相性が良いと言えます
ティアドロップ型
涙の形をしている、こちらも定番の形をしたピックです。
持ち手のグリップ感はそのままに、弦が当たるポイントは鋭利になっています。
弦に当たる面積が小さく、早く振り抜く事が可能なためギタリストなどが好んで使用します。
トライアングル型とは違い、弾ける箇所が1箇所だけなのが玉に瑕。
ジャズ型
ティアドロップより小型で弦に当たる先端も小さく、シャープになっています。
ティアドロップよりも更にスムーズなピッキングを可能にしています。
ベーシストよりもギタリストが使っている印象で、名前の通りジャズプレーヤーはもちろん、メタルなどのギタリストなどテクニカルなプレーヤーが使用します。
変形型
上で紹介したのが鉄板の3種類なのですが、上記以外にも色々な形があります。
丸型
アイバニーズより発売されているまるい形のベース専用ピック。
円になっているので角を気にせず「360°どの位置でも」弾く事が可能です。
ホームベース型
ビートルズのポール・マッカートニー、リッチーブラックモアが使用している事で有名なピックです。
ポールマッカートニーはビートルズのベーシストです。
説明不要の伝説のバンドと言っても過言ではない1960~70年代に20世紀を代表するバンド。
リッチー・ブラックモアはディープパープルの創設者であり、1970年〜80年のギターヒーローです。
そのギターヒーローが使用しているピックが鼈甲のホームベース型ピックです。
受験生の方にはこんなピックもありますよ。
エルゴ
もはや何型と書けばいいのかわからない!!(笑)
スラップのような音が出るピック。
いや、もはやピックというより三味線のバチ。
どう持てば良いのかから悩む形をしています。
ちなみに、エルゴとはラテン語で「それ故に」と言う意味です。
ピックの完成形なのかもとすら感じてしまう形…
ピックの厚さの違いと特徴
ピックには色々な厚さがあります。
代表的な厚みとカテゴライズは下記の通りです。
- Thin (~0.6mm)
- Medium(0.7~0.9mm)
- Heavy(1.0~1.3mm)
- Extra Heavy(1.3mm~)
メーカーによって違いはありますが、だいたい上記のようなカテゴライズになります。
一般的にピックは厚い方が太くアタックがある音が出ます。
そして、厚いピックの方が弦を弾いた際のレスポンスが良い傾向にあります。
上記のような理由から厚いピックの方がベースには向いていると言えるでしょう。
しかし、厚いピックにはデメリットもあります。
薄いピックはしなりやすく、余分な力を逃してくれるます。
対して厚いピックはしならないため余分な力を分散できない為、ピックを持つ指への疲労感は厚いピックの方が上になります。
力みすぎると疲れてしまうので、力を抜いてピッキングする習慣を身につけましょう。
ピックの材質の特徴
ピックには数多くの材質があります。
材質によって弾きやすさ、音色が違いますので紹介していきます。
セルロイド
古くからジャンル問わず使用され、使われていてピックの中でも一般的なプラスチックの素材。
質感は少しざらつきがあるので扱いやすい。
ナイロン
硬さがある素材で、摩擦に強く、曲がりにくい。
圧縮に対する弾性にも優れています。
音色はアタックが少し弱め。
少し滑りやすい。
ウルテム
曲げ弾性率(変形のしにくさ)が極めて高い素材。
「爪で弾いた音に近い」
「べっ甲の使用感に近い」
音色や、使用感を持っています。
ポリアセタール
摩擦が低く、摩耗に強いため減りにくい、セルロイドと同じプラスチック素材。
音色はローからミドル、ハイまでバランスがよく出るピックです。
デルリン
ポリアセタールをアメリカのデュポン社が「デルリン」で商標登録したものでポリアセタールの一種です。
デルリンは軽く、摩擦も少ないため弦を弾いた際に出るピッキングノイズが出にくいと言う特徴があります。
また、滑りやすいデメリットもあります。
そんなデメリットを解消すべく作られたのが次に紹介するトーテックスです。
トーテックス
一度は見たことがあるであろうジム ダンロップから発売されているカメマークが入ったピックです。
デルリンの滑りやすいと言うデメリットを改善するためにデルリンの表面に特殊加工をし作られたもの。
アクリル
水槽などに使用される素材でもあります。
透明度が高く、綺麗に着色されていて可愛い印象さえ受けます。
アタックが強い音色で、耐久性に優れているという強みもあります。
しかし、値段は少し高い印象です。
べっ甲
ウミガメの甲羅から作られている天然素材です。
弾き心地としては適度な弾力、硬さがあり、汗をかいても滑りにくい性質があります。
ワシントン条約で国際取引が禁止されているためもう日本には輸入されません。
希少価値は高く、加工が難しいと言う事で価格は高価です。。
ウルテムが近い使用感の為代替品として人気があります。
ゴム
私たちの身近なものにたくさんあるゴムでできたピック。
しなりやすく、弾力がある素材のピックです。
そのため、指で弾いた音に近い音を出す事が出来ます。
ピックだけど指弾きみたいな音を出したいと言う人におすすめです。
金属
ピックで使用されている金属はアルミやブラスが主流でステンレス、銅などもあります。
皆さんお分かりだと思いますが、硬い素材です。
そのため、音色もアタックが強く硬い音が出ます。
全くしならないので、弾いていると指への負担が大きいのがデメリットです。
耐久性はある故に弦の方もダメージを受けやすい素材と言えます。
硬貨
硬貨をピックにするスタイルです。
QUEENのギタリストであるブライアン・メイは6ペンスコインや、オーストラリア5セントコインを使用しているのが有名ですね。
ブライアン・メイ
硬いほうが指のニュアンスを伝えやすいと思う。斜めに使えば滑らかな音が出せる。ハードにプレイする時はコインの回りのギザギザを使う。指は弦に触れるか触れないかの位置にあるので、手の動きを弦に伝えやすい
ウィキペディア
天才の感覚は凡人にはわかりませんね。
皆さんもお手持ちの1円玉で試してみてはいかがでしょう?(笑)
ピックの種類、形、素材のまとめ
いかがだったでしょうか?
ピックと言っても星の数程あります。
ちなみに筆者の使っているピックはこちら。
ピック一つで弾き心地や音質も違ってくる為、ピック弾きベーシストにとってはとても大切な要素の一つです。
あなたも自分に合ったピックを見つけ出し、自分の音、スタイルを確立させましょう。
コメント